半分開かれたカーテンから差し込む日光の暖かさとは対照的に、アイクの瞳は冷たかった。
リンクは何か言いたくても言葉にならず、「あ…」と小さい声を漏らすだけだった。


「服を脱げ」

「や……」


瞳を潤ませながら、ゆるゆると首を振る。
ここまで怒りに満ちたアイクを見たことがなかったリンクは、アイクに対して恐怖心を抱き
自分の発言を悔いた。


「ならそのままで良い」


舌打ち混じりにそういうと、アイクはリンクの耳の付け根、首筋、鎖骨に荒々しく口付けてゆく。
あまりにも突然のことでリンクは抵抗する間もなくされるがままで、アイクの肩に手をかけるも押し返すことは出来なかった。
赤い華が至るところに散らされる。
同時にシャツの中にするりとアイクの手が入り込んできて、青い目をぎょっと目を見開いた。
アイクの指が胸の突起に触れた瞬間にリンクの身体がびくりと跳ねる。


「や、っ…あ、アイク……っ…!」


脚をばたばた動かして抵抗するが、体格差は歴然であるため無駄な行為に終わる。
アイクはリンクが着ているTシャツを首元まで巻くし上げると、露になった乳首を口に含んだ。
舌で舐め上げてやると、リンクは愛撫から逃れようと細い腰を捩る。


「やめ…っ、やだ、…嫌……やぁッ…!」

「なんだ、もう限界か。セックスを知りたいって言ったのは何処のどいつだ?」

「だ、だって…こんな……っ…」


馬鹿にするかのように小さく笑いながらそう言うアイクを、リンクは涙目で見上げる。
そんなリンクをじっと見て、アイクは一つ溜め息をついた。


「……だから言っただろ。お前にはまだ早いって」


そういって起き上がると、アイクはベッドから降りる。
リンクものろのろと起き上がり、髪をぐしゃぐしゃと手でかいているアイクを見据えた。


「俺は出かける準備するから。お前は寝てろ」


リンクの頭をぽんと撫でながらアイクは言う。
アイクは大学生であるため、午後からは授業に行かなければならなかった。
まだ授業まで時間があるとはいえ、もしかしたら電車が遅れるかもしれないし、何が起こるかわからない。
遅刻するよりは少し早めに着くくらいがいいのだ。
大学に行けば図書館もあるし、サークルのボックスに行けば誰かしらいるだろうから
家を早く出たとしてもアイクには何の支障もない。
アイクは着替えるらしく、着ていたTシャツを脱ぎ捨てるとクローゼットの戸を開けて服を探していた。


「ア、アイク……」

「なんだ。どうした?」


黒いVネックの薄手のニットを手にしながら、アイクが振り返ってベッドの上のリンクを見る。
リンクはアイクに声をかけたものの、言葉に詰まっているようでなんだかそわそわしている。
一体何なんだと思ったアイクは服を持ったままリンクの元へ近づいた。
そしてリンクと目線を合わせるために、ベッドの前で膝をつく。


「あの……」

「言いたいことがあるなら言え。俺は怒らない」

「………」


そう言われ、アイクから視線を逸らすように俯くリンク。


「……たい…」

「なんだ?」


アイクは少し首を傾げつつ尋ねる。
するとリンクは顔を上げて、アイクをじっと見つめた。


「俺……アイクと…セックスしたい…」


思いもよらないリンクの言葉にアイクは目を見開く。
正直こいつは何を言っているんだとアイクは思った。
その証拠に口から出るのは呆れた声。


「リンク…。さっき言っただろ?お前にはまだ早いって」

「そうじゃない!」


立ち上がろうとするアイクの手首をリンクが掴む。
ここでまた、リンクが予想外の行動に出てアイクは少し驚いた。
冗談で言ってるのかとも思うが、リンクを見ていると冗談で言っているようではないようにも思える。
だが自分達は男同士。しかも自分は大学生で、相手は15歳ときたものだ。
傍から見たら犯罪にだってなりかねない。
それに、リンクだって初めての相手がいきなり男なんて気分が悪いのではないかとアイクは思う。


「あのな、リンク。こういうことは好きな奴とするんだよ」

「好きな奴…?」

「ああ」


そう言われてリンクは俯く。
しかしすぐに顔を上げると、少しばかり潤んだ瞳でアイクを見つめた。


「でも……俺、アイクのことが好きだ………」


揺れる青い瞳を見て、アイクは一瞬どうしたらいいのかわからなかった。
リンクは視線をシーツに移すと、驚いているアイクをよそに言葉を続ける。


「俺、アイクと手も繋いだし…キスもした…。アイクのこと好きだから、本当に嬉しかった。
 でもそれじゃ足りなくて…好きだから……肌と肌くっつけて、もっとアイクの体温を感じ…たい……」


震える声で、リンクは言葉を紡いでいく。
いつの間にかアイクの手首を掴んでいたリンクの手からは力が抜けていて、アイクの右手は自由になっていた。
そして無意識のうちに、今度はアイクがリンクの手首を掴んでベッドへ押し倒す。

何処かで何かが崩れる音を聞きながら―



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あれ?終わってない?(´▽`)
前編と後編で終わるつもりだったのに予想外の展開。わあ不思議!
此処で終わらせるのってダメなのだろうか(ちょう中途半端)

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