罪の居場所
「ねぇ、リンク。悪いんだけどアイクとマルスを探してきてくれないかしら?」
「いいですよ」
何気なくピーチ姫の頼み事を受けたのがきっかけだった。
あの時に断っていたなら良かったのだろうかと思うけど、俺には未来を予測出来る力なんてない。
でも、この目が光を知らなかったなら。
見なくてもいいものを見なかったかもしれない。
「二人とも何処行ったんだろうなあ」
どうやら屋敷の中にはいないようで、俺は庭を歩いていた。
庭と言ってもたくさんの木が茂り、まるでフィローネの森のようだ。
そういえば最近は全然トアル村にも帰ってないなと思いつつ、少しばかり薄暗い小道を歩いていく。
すると、茂みの奥に見慣れた人影が二つ。
「こんな所にいたのか」
心の中でそう言って、俺は二人のもとへ駆け寄ろうとした。
しかし、次の瞬間に俺はその場に立ち尽くしてしまった。
たった今、驚きで見開いた自分の目に映っているのは抱き合っている二人。
―口付けを交わすアイクとマルス。
何故だか喉の奥が急激に熱くなって、俺は二人に声もかけずに引き返した。
来た道を全力で駆け抜ける。
そして屋敷の裏に着いて立ち止まると、堰を切ったように涙が溢れてきた。
「っ、う……」
二人が恋仲なんだろうな、とは薄々気付いていた。
ただ自分の中でどうしても認めることが出来なかった。
彼が選んだマルスに対する嫉妬心からなのか。
もしかしたら少しでも自分を好いてくれるかもしれないというアイクに対する微かな希望があったからなのか。
だけど、今となっては現実を受け止めなければならないだけだった。
わかっていたつもりなのに、こんなにも心が痛い。
俺はその場にうずくまって、涙を流すだけだった。
そんな時、頭の上から声が降ってくる。
「リンクさん…?」
少しばかり高いトーンのそれはピットのものだった。
泣き顔が見られたくなくてどうしようかと思っていると、彼もしゃがみ込んで顔を覗き込んでくる。
「何かあったんですか?なかなか戻って来ないから心配して…」
「ご、ごめん。何でもないんだ」
目を擦りつつ俺は笑った。
しかしピットは訝しんだ様子で俺を見据えてくる。
「アイクさん…ですか?」
尋ねるような、でも確かな口調でピットは言った。
思いがけない言葉に俺の肩が揺れる。
「な……ち、違うよ…」
泳ぐ視線。頼りない口調。詰まる言葉。
我ながらわかりやすいと思う。
案の定、ピットは俺の否定をばっさりと切り捨てた。
「嘘」
「…………」
自分が密かにアイクに想いを寄せていたこと。
そしてそれが叶わぬものだと知ったこと。
誰も知らなくていいことだから、心の奥深くに閉じ込めてしまえばいいと。
そう思っていたのに。
なんだか自分が酷く惨めで、また涙が零れた。
「馬鹿だよな、俺……」
全てバレてしまったのなら、今更隠す必要なんてない。
そう思うと涙が次から次へと溢れてくる。
ピットは何も言わずに人差し指で涙を拭うと、俺の頬をそっと撫でた。
瞳を彼に向けると、真っ直ぐな視線とぶつかる。
「僕じゃ駄目ですか…?」
「…え………?」
一瞬何を言われたのかわからず、何も返せずにいた。
すると今度は突然抱き締められて、俺はどうすればいいのかわからなかった。
「僕なら貴方に悲しい思いなんてさせない」
彼の細い腕の何処にこんな力があるのかと思うくらい、強く抱き締められる。
この背に腕を回していいのだろうかと問い掛けるも返事はない。
ただ、肩越しに見えた空の青さが俺の目に焼き付いていた。
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ブログで書いた衝動第二弾。
ピット→リンク→アイマルみたいな感じ。
なんか色々おかしいけどスルーして下さいあばば
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