(今、何時だろう…。)
リンクは顔を少し動かして壁にかかっている時計をちらりと見やる。
午前4時25分を指していた。
寒い。眠い。ダルイ。
そう思いつつ周りに視線を巡らせると、テーブルの上にはカセットコンロに乗ったままの土鍋や
人数分のとり皿、まだ若干ワインが残っているワインボトルや、ビールや缶チューハイなどの
空き缶が無造作に並べられていた。
昨日はクリスマスイヴだし、鍋パーティーでもしましょうよ!というピットの発言により
アイクの家でピット、マルス、アイク、俺の4人でお酒を飲みつつ鍋を食べたのだった。
後半はただの酒飲み大会みたいになって、クリスマスのムードも欠片もなかったけれど。
そして気付いたら皆で雑魚寝、という有様だ。
マルスなんてちゃっかりアイクのベッドを借りて寝ているし、ピットはベッドのすぐ脇で布団に包まっていて寝息を立てている。
俺とアイクは座っていた場所が近かったのもあり、別に意識したわけでもなく隣同士で寝ていた。
端正な寝顔が目の前にあって、俺の心臓がどくんと鳴る。
アイクは俺の気持ちなんて知らない。俺が仄かな想いを寄せているということを。
男同士だし、そんなの言えるはずがなかった。
(睫毛…結構長いんだな……)
初めて間近で見る寝顔。
やっぱりアイクはどんな表情でも凛々しいと思った。
ふいに、薄く開いた唇が目に入る。
(キス……したら怒られるかな…)
ぼんやりとそんなことを考え、次の瞬間我に返って俺は何を考えているんだと自己嫌悪に陥る。
俺はアイクのことが好きだけれど、アイクが俺は好きじゃない。
好きだとしても、それはlikeであってloveではないのだ。
だけど、酷くもどかしかった。こんなにも近くにいるのに、想いだけが遠い。
(少しだけ…なら……)
本当は許されることではないのに、今だけは許して欲しかった。
俺は寝ているアイクにそっと顔を近づける。
鼓動が高鳴り、心臓が破裂しそうだ。意味もなく泣きそうになる自分。
そして、ほんの一瞬だけ触れた唇。
慌てて唇を離した俺はキスのぬるさに少しだけ戸惑いつつ、潤んだ瞳を伏せた。
―気付かなくていいから、傍にいさせて
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