Cry for the Moon





「ダークとはよく一緒に月を見ているよな」


草むらに投げ出した足を揺らしながら、リンクは言った。
もうすぐ真夜中になるだろうという時に、二人は草原にいた。
夜風が二人の頬を撫で、紺碧の空にはたくさんの小さな星。
そして、明るすぎる満月。


「そうかもな」

「なんだよ、そっけない」

「じゃあ何て言って欲しかったんだよ?」


そう尋ねられて、リンクは返答に困る。
確かに自分はなんて言って欲しかったのだろう。


『ずっと前からこうしているよな』

『リンクと一緒だから』


考え出すと止まらなくなって、リンクは塞ぎこんでしまう。
風が、髪を揺らしていく。


「リンク」


名前を呼ばれたと思うと、顎を掴まれて口付けられた。軽いキス。
びっくりして、思わず目を閉じるのも忘れてしまう。
口を離したダークにじっと見つめられて、リンクの心臓がどきりと高鳴った。
キスは初めてじゃない。
もう体も繋いだことがある。
なのに、いつまで経っても慣れない。
恥ずかしくなって目を逸らすと、今度は押し倒されて口付けられる。
押し倒された瞬間に草が揺れて、リンクの頬を掠めた。


「ぁ…ん……ッ…!」


舌を絡められて、ダークの服を握るリンクの手に思わず力が入る。
くちゅ、と音がして舌が触れ合う。
上唇を舐めてからダークが口を離すと、つっと糸が引いた。
はあっとリンクは吐息を漏らす。


「可愛い」


ふっと笑われて、リンクは赤くなる。
自分だって男なのだ。
可愛いと言われるのは、女として扱われているみたいでなんだか悔しかった。
しかしそんなリンクをよそに、ダークはぷちっとリンクが着ているシャツのボタンを外していく。


「おいダーク!何して…!」


リンクは驚いて起き上がろうとするが、ダークが体重をかけて覆い被さってきたためそうはいかなかった。
ボタンを全て外して肌蹴させると、露になった肌に口付けを落としていく。
首の付け根や鎖骨には赤い華が咲いた。


「ちょっ…!見えるところにつけるなって言ってるだろ!」

「別にいいだろ?リンクが俺のものだって証」

「なっ……ん…!」


胸の突起を吸い上げられ、リンクの腰が跳ねる。
ダークの肩を押しやる手にも力が上手く入らないようで、抵抗とは言えない抵抗だった。
器用にも片手でジーンズのボタンを外し、チャックを下ろす。
リンクは慌ててダークの手を掴むが、無残にもそのまま下着と共にずり下ろされてしまった。


「ダーク!」

「なんだよ?」

「なんだよって…!」

「これ、邪魔だろ?」

「あっ……!?」


ニィっと笑って、リンクの足首に引っかかっていた下着とジーンズを取り払う。
そしてそれらを草の上へ放り投げると、膝裏に手を入れて脚を開かせた。
が、リンクが咄嗟に両手で隠してしまう。
ダークは不満そうに声を荒げた。


「何で隠すんだよ」

「な、何でって…!」

「いつも見せてんだろ?」

「なっ…!?ダークが勝手に見るんだろ!」


湯気が出そうなほど顔を赤くしてリンクが叫ぶ。
しかしダークはそんなリンクを見てもしれっとした態度で、膝裏に手を入れたままリンクの手元に顔を近づける。
彼の行動がよくわからなくてリンクが戸惑っていると、指を舐められた。


「っひ……!」


思わぬ行動に、リンクは身を強張らせる。
だがダークはそんなリンクを知ってか知らずか、ぴちゃと音を立てながら舌を這わせてくる。
生暖かい舌の感触にリンクは小さく震え、息を呑んだ。


「指、弱いんだろ」

「そんなことない……っ…」

「どうだか」


指と爪の間を舌が這ってゆく。
たったそれだけの行為でもリンク体から力が抜けていって、頑なに隠していた下腹部も露になる。
感じやすい体。
すでに先走りを垂らすリンクのモノを見てダークが喉の奥で笑った。


「お前ってほんと感じやすい体してるよな」

「ち、が……っ…!」

「違わないだろ。まぁ、体の方が正直ってやつか」


言うや否や、ダークは自分の指を舐めて唾液をつけるとそのままリンクの秘所へと埋め込む。
慣らされていないそこはきつく、狭い。
リンクはきつく目を閉じることで、内側からじわじわと襲ってくる鈍い痛みに耐えた。


「っ…く、ん……!」


ダークの長い指が内部を掻き回す。
奥を掠められる度に声が上がり、体が仰け反った。


「あぁ…っや……ん、ぁ…っ!」


背中に当たるのは草の感触。
すっかり忘れていたけど、此処は屋外だ。
その事実を認識すればするほど、言いようのない羞恥心や背徳心が襲ってくる。
リンクは悶えながらも弱弱しく頭を振ることで抗った。


「や…だっ、も…やめ……っ…!」


いつの間にか指が増やされていて、二本の指がばらばらと中で蠢く。
深い底から這い上がってくる快楽。追い詰められる。
リンクは咄嗟に自分を受け止める草を掴んだ。
最初は外気に晒されてひんやりとしていた体も、今ではすっかり熱を帯びてしまっている。


「あっ、あぁ…っく……やぁ…!」

「なぁ、どうしてほしい?」

「っああ…ッ…!!」


くん、と指を曲げて奥を突かれる。
囁く声。耳朶を舐められ、リンクの腰が震えた。
わかっているくせに、とリンクは涙目でキッと睨みつけるがそんなものダークにとっては痛くも痒くもない。
むしろ、加虐心が煽られる。
目の前にいる禁欲的な青年が喘ぐ姿は酷く厭らしいのだから。


「もう指じゃ足りないんだろ?」

「―っ………!」


どうやら図星らしく、びくっと体が揺れる。わかりやすい。
ダークは心の中で嗤った。


「欲しいのなら、ちゃんと言えよ」


そう言うや否や、指を引き抜く。
自分の中を満たしていたものが奪われ、リンクの蕾がひくんと収縮した。


「……れて………」

「聞こえない」


一瞬傷ついたような顔をするが、ダークは気にも留めない。
そんな顔でさえも愛しかった。
自分を見上げる潤んだ青い瞳。
涙が零れるのを堪えているのか、唇を噛む。


「ダークが…欲しい……」


小さい声であったのにはっきりと聞き取れたのは、周りがあまりにも静かだったからかもしれない。
風が吹いていない草原は、音一つしなかった。
ダークはズボンのファスナーを下ろし、とっくに熱くなっている自身を取り出すと身を屈める。
彼のシルバーアッシュの髪が揺れた。


「俺もお前が欲しい」


低く、甘く囁かれて、貫かれる。
声にならない叫びを上げ、手元に生えている草をぎゅっと掴む。
その瞬間ぶちっと音がしたからきっと抜けてしまったのかもしれない。
けどそんなことを考える余裕などリンクにはなかった。
急に熱が出たかのように体温が一気に上昇する。
繋がった箇所が熱い。


「あっ…や、あ……あぁっ…!」


打ち付けられる度、背中の草が擦れてざわざわと音を立てる。
身を屈めていたダークが体を起こすと、急に視界が広がる。
夜なのに、明るい。
ダークの背後には大きな満月が浮かんでいた。
不意に、自分の下で喘ぐリンクを見てダークが笑う。


「いい眺めだな」

「なっ、ぁ…何……ッ…?」

「月明かりのせいでお前の厭らしい所も全部見える」

「嫌っ…や、見ないで……っ…!」


月明かりに照らされる白い肢体。
夜なのに明るくて、広げられた脚からは全てが曝け出されている。
既に起ち上がっているリンクのモノからは先走りが溢れ、その白い腹を濡らす。
しかし不思議と卑猥には見えなかった。


「んっ…は、ぁ…ッあ…!」


深い所を抉られ、悲鳴にも近い声が上がる。
リンクは身を屈めたダークを引き寄せると、そのまま首に手を回した。
何かに縋っていないと、どうにかなってしまいそうだった。


「や…あぁ、ん……ひぅ……!」

「く……っ…!」

「あっ……ぅあ、ぁん……ッ…!」


激しく腰を打ち付けられて、言いようのない快感が脳髄へと駆け上がる。
もう何もかもが止まらなくなって、ただ、互いを求め合った。
狂ったように口付けを交わし、飲み込めなかった唾液が顎を伝っていく。


「ダーク…もう、もうっ……あっやあぁ…っ……!!」

「リンク………っ……!!」


頭の中が白く弾ける。
そして、二人で一緒に達した。


「はっ……ぁ……」


ずるりとリンクの中を満たしていたダークの自身が引き抜かれ、リンクは小さく喘いだ。
急に静けさが襲い、息遣いの音がやけに大きく感じられる。


「大丈夫か?」


そう問い掛けられて、リンクはこく、と首を縦に振る。
疲れてぐったりしてしまっているようだった。
ダークが無言でリンクの頬をそっと撫でると、小さく笑ってダークの首に腕を回す。
火照った体が夜風と調和されていくのを感じながら、リンクは目を閉じた。
辺りが静寂に包まれる。
誰もいない真夜中の草原で、月だけが二人を見下ろしていた。








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久しぶりに書いたダーリン(・ω・)
私が書く文章は月に関するネタが多いなあと思った…。
真夜中の草原でって萌えるかなと思ったけど自分で書いたらよくわからなくなった^q^

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