触れたいのに触れられないのは、君があまりにも純潔すぎるから。
だけど、この手で繋ぎとめておきたいと思うのは我儘ですか―?








Lily








「眠れないんだ」


そういってリンクは部屋にやってきた。
夜の11時半過ぎだっただろうか。
マルスが貸してくれた本を読んでいる時だった。
天空都市。
この世界の何処かに存在するそれについて書かれた本であったのだが、生憎俺はそんなものには興味がない。
ぱらぱらとページを捲り、文章は読まずに写真だけを眺める。
そんな時にコンコンとドアがノックされ、扉を開けたらリンクがいたのだった。
とりあえす中に招き入れてやると、遠慮がちに入ってきて俺と共にベッドに座る。
「どうした?」と問い掛けてやれば、「眠れない」という。
彼にしては珍しいと思った。


「眠れないってどういうことだ」

「わからない」


俯いて、ゆるく頭を振る。
今日一日で何かあっただろうか?
朝からの出来事を振り返ってみるが、別に特に変わったこともなく普段通りだったように思う。
暫く沈黙が流れたあと、リンクがおもむろに顔を上げる。


「アイク」

「なんだ」

「抱いて」

「何……?」


一瞬何を言われたのかわからなくて、言葉に詰まる。
目の前の奴は何と言った?
俺は夢を見ているのではないかとさえ錯覚する。
リンクは間違ってもそういうことを言うような性格じゃないはずだ。
しかしリンクは俺の服の裾を掴むと、もう一度言葉を繰り返した。


「俺のことを抱いて」


そういって俺を見上げる青い瞳は、いつもよりも暗く見えた。






* * * * *






「あっ、ん…やぁっ……」


仰向けになる俺を跨ぎ、リンクは腰を揺らす。
もうどのくらいこうしているだろうか。
俺は下だけ脱がされ、上の寝巻きを少し捲くられた格好だったが、リンクは寝巻き一枚だけだった。
しかもそれはボタンが全て外され、肩に引っかかっている状態だったから最早衣服としては機能していない。
黒い寝巻きであるせいか、肌蹴られた肌がいやに白く見えた。



「んッ、ぁ…ふ、んん……っ」

「…っ、やめ……ッ…!」

「アイク……っ、もうイく……?」

「ああ…っ…だから、もう……」


何度目の絶頂かわからなかった。
長い間、こうしている。
おそらく日付も変わってしまっているはずだった。
コチコチと鳴り響く時計の針の音が煩わしい。


「俺の…中に出して……っ…」

「だめだ…ッ……」


そう言いつつも、さっきも中に出してしまった。
別に出したくて中に出しているわけではない。
出したくない。でも出したい。
本音を言えば、自分のモノを中に出せることはきっと光栄なことなのかもしれない。
想いを寄せる人物の中に自分を刻み付けられたら。
もし、俺たちが恋人同士なのであれば―



出会いは雪の降る朝だった。
この屋敷に呼ばれ、最初に出会ったのがリンクだった。
噂には聞いたことがあるから、名前や容姿、ハイラルの勇者であることくらいは知っていた。
だがそれだけ。他に知っていることはなかったし、特に知りたいこともなかった。
他人に対してはあまり執着しない。
グレイル傭兵団の団長という立場であるにもかかわらず、我ながらドライな性格をしていると思うし自分でもそれはわかっていた。
それなのに、雪の中に一人で佇む姿が何処か寂しげで、けれどそれでいて綺麗だと思った。
細い金色の髪と白い雪のコントラスト。
リンクという存在が酷く儚く思えて、気がつけば奴のことを考えている自分がいた。


「アイク、恋でもしてるの?」


ある日マルスに問い掛けられ、俺は一瞬何と返していいのかわからなかった。


「何故…そう思う」

「だってこの頃何かを考えているような顔ばかりするから。まるで誰かのことを考えているみたいに」


窓の外を見れば、リンクがカービィ達と遊んでいるのが目に入る。
楽しそうに笑いながら、リュカの頭に手を乗せている。
触れてはいけない。
リンクを見ていると、そう思えてならなかった。


「いや、別に」


窓から視線を外して言い返す。
マルスは「そう」とだけ言うと、剣の手入れを続けた。



「あっ…は、ぁ…っんん……!」

「リンク…っ…!ぁ、く……ッ…!」


ずちゅ、と大きくグラインドされ、引き抜く間もなく中へと精を放つ。
ハァハァと息をしながら、リンクを少し持ち上げて自分のモノを引き抜く。
その瞬間、中に出したものがトロリと溢れ出てリンクの内股を伝っていった。
暫くリンクも俺の胸に手をついて息をしていたが、体勢を整えると再び俺の萎えたモノに手をかける。


「リンク…やめ……っ…」

「ぁ、んっ…っア……!」


中の液が潤滑油となり、ぐぷりと音をたてて飲み込んでゆく。
根元まで埋め込むと、リンクは俺の肩に手をかけてゆっくり動き出した。
腰の動きに合わせて絶え間なく嬌声が上がる。


「ねぇっ…アイク……わかる…?此処が俺の奥…」


顔を近づられ、熱っぽい吐息がかかる。
瞳は潤んでいて、普段のリンクとはかけ離れているその姿は酷く厭らしくて艶かしかった。


「アイクの、当たってる…っ………」


伏せられた瞳。震える睫毛。揺れる金糸。
眉根を寄せて少し唇を噛むリンクの表情は官能的でありながらも、何処か切ない。
その口から零れる甘い声も細い肩も、全部自分のものにしたかった。
心の底に重く沈む独占欲。
今ならそれが許されるのだろうか。
それは一種の葛藤だった。


「ッ…ぁ、やッ…アイ、ク……アイク……っ…!」


青い瞳には溢れそうなほどの涙。
見つめられて、思わずギリ、と奥歯を噛む。

やめろ。そんな目で俺を見るな。

そう思うのに、目が離せない。崩壊する理性。湧き上がる欲望。
俺はおもむろにリンクの腰を掴むと、パンと強く打ち付けた。


「っああ…っ、やぁっ!」


一瞬体がしなり、そのまま胸の上へと倒れこんでくる。
体が密着し、体温が上がる。
止まらなくなって、何度も何度も下から突き上げた。


「やっ…ぁ、あん…っ…!」

「ん、く…ッ……」

「あっ、は…ぁっ、あぅ…ッ…」


動く度に、結合部からは中に出した残滓が溢れてくる。
溢れ出たそれはリンクの太腿を伝って、俺の脚へと伝い落ちた。
生暖かい感触であるが、不思議と嫌悪感はなかった。


「ん、あっ…や、ぁあ…ん…!」


体を仰け反らせ、リンクはただただ喘ぐ。
淫らで、あられもない姿。
穢れていく。白が黒に染まっていく瞬間。
嗚呼。そうだ、俺が穢してしまったんだ―
だから触れてはならなかった。
罪悪感のようなものが芽生えていくも、軋むように動き出した歯車は止まることが出来なくて。


「っ、リンク……ッ………」


もうどうすることも出来ない。
俺はただ、目の前の体を抱き締めた。



"Lily"

穢してしまったのは、君の純潔。

壊してしまったのは、君の心。

奪われた無垢。



溺れゆく白。

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シリアスというか暗くてすいません…(((゚д゚)))
アイクの一人称なのに、これじゃあリンクがただのエロい子みたいじゃないか…!
両想いなのにお互いの気持ちに気付くことが出来なくて擦れ違っている人達、みたいな。
いつかリンク視点でも書けたらいいなと思ってます。
しかしこれアイク受けに見えなくもない(^ω^;)

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