fragile love






横顔を見ながら、その青く澄んだ瞳には誰が写っているのだろうかと思った。
おそらく自分ではない誰か。聞きたくても、聞けなかった。


「シーク?」


僕の視線を感じたのか、僕の方を振り向いてどうしたんだと問い掛けてくる。
秋風に揺れる黄金色の髪が綺麗で、それに見惚れて何も言えなかった僕は少し笑った。


「何でもないよ」


そしてリンクの横顔が綺麗だなと思って見てただけだと言えば、恥ずかしいのか顔を赤くして
顔を逸らす。随分と純情な勇者だ。本当にこんな奴に世界を託して大丈夫なのだろうか。
大きなお世話だろうけど、ついついそんなことを考えてしまう。
そんな勇者はといえば、体育座りをしながら自分の足元に咲いている小さな花の茎を指で弄っていた。


「なんだ、別に恥ずかしがることないだろう?」

「だって、そんなこと言われたって…。俺、別に自分が綺麗とか全然思ってないし…」

「僕がそう思っただけだ」


リンクは言葉に詰まったようで黙りだす。別に僕は君のことを困らせたいわけじゃない。
ああ、でも君を見ているとどうしてか少し意地悪をしてみたくなるのもまた事実だった。


「ねえ、君の瞳には誰が映っているんだい?」


そう尋ねたら君はどんな顔をするだろうか。今みたいに、朱に染めた顔を僕から逸らすのかな。
まぁそんなことは気になっていても絶対に口には出せないけれど。
どうしてか、リンクに対してだけは臆病になってしまう自分もまた存在していた。
僕らしくない。そう思うのに一歩を踏み出すことが出来なかった。


「俺だって」

「?」

「俺だって…シークのこと、綺麗だと思ってるよ」


リンクは言った。上手く説明出来ないけど、と付け足して。
僕は一瞬何を言われたのかわからなくてぽかんとしていたが、自分の発言が恥ずかしいのか
今まで以上にきつく自分の膝を抱えているリンクを見て思わず苦笑してしまった。


「…ありがとう」


嬉しいのに何処か切ない。それは秋だからなのか。
澄んだ空気が頬を撫でる。秋晴れの空。届かない青。



―欲しかった言葉はそれじゃないなんて優しい君には言えない



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久しぶりにシーリン。シークの片想い。
シーク→リンクでもシーク→リンク→誰かでも。
秋は切ない季節だと勝手に思ってます。

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