目の前でリップクリームを塗るアイクをリンクはまじまじと見据えた。
てっきり、肌荒れとか保湿とか、そういうのは無頓着なんだと思っていた。
マルスは常に気を遣っているけど(奴はなんか変わってるな、とリンクは思っている)
男だしという理由もあるが、なんとなくアイクはそういうことは気にしなさそうなイメージがあったから。
意外だった。
「どうした?」
あまりにもじーっと見てしまったせいなのか、アイクはリップクリームを片手に不思議そうな顔をして
リンクを見る。
やばっ!と思ったリンクは慌てて目を逸らすが、却って怪しまれるんじゃないかと後になって思った。
「いや、その…アイクがリップクリーム塗ってるの意外だなと思って」
「そうか?」
「だってなんかそういうの気にしないっていうイメージがあったから。舐めとけばいいだろ、みたいな」
「なんだ、それ。俺はそんなイメージなのか」
「あ、いや、別に馬鹿にしてるとかそういうのじゃなくて…」
だって、俺はリップクリームなんて持ってないし…とリンクは少し俯きながら言った。
マルスは絶対持ってるし、ピットも持ってそうだし。
俺もリップクリーム買おうかなあなんて頭の隅で考える。
そうしていると、アイクは何かに気付いたのかリンクの顎に手をかける。
「えっ?何?え?」
「お前も荒れてるぞ。唇」
そう言って、アイクは先程のリップクリームをリンクの唇に塗る。
甘いフルーツの香りもなく、少しスースーする普通のリップクリーム。
塗り終わると、アイクは少し笑って「乾燥すると荒れて切れるぞ」と言った。
でも正直、そんなアイクの言葉はリンクの頭に入っていない。
間接キス―
そのことで頭がいっぱいになってしまって。
なんだか急に恥ずかしくなってしまったリンクは顔をかぁぁっと赤くした。
「あ、あの、俺、乱闘行って来るから!」
「ああ。頑張れよ」
「わ、わかった!じゃあな!」
しどろもどろに言ってから、リンクはだーっと駆け出す。
どうして顔が熱いのかはわからない。
ただ、唇に触れたリップクリームの感触を思い出すと、どうしようもないくらいどきどきしたのだった。
ペパーミントの口付け
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男の子がリップクリームを塗ってるのが好きなのです。
一見あまり気にしなさそうな子が塗ってるとギャップを感じてトキめく(笑)
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