「暑いなあ…」
じりじりと焼け付くような暑さ。空は真っ青。雲は一つもない。
リンクは目の前に広がる湖を眺めながら、ぽつりと呟いた。
目線の先には、中々沈まない浮きが一つ。
(魚も釣れないし……)
沈む気配のないルアーを見つめながら、リンクは小さく溜め息をついた。
じわりと額に汗が滲む。
もうどのくらいこうしているだろうか。一時間?いや、多分もっと。
暇だなあと思いつつ欠伸をしていると、背後で人の気配がする。
「何やってんだよ。この炎天下で」
頭の上から降ってくる呆れた声。
リンクが顔を上げると、声と同じように呆れた顔をしたダークが立っていた。
彼もまた、しっとりと汗を浮かべている。
今日は本当に暑い日だ。
「いや、魚釣れないかなって…」
「こんな暑い日に釣れるわけねえだろ」
そう言って、ダークはリンクの横にどかっと座り込む。
魚って水の中にいるんだから、暑いとか関係ないよな…?とリンクは思ったが、それを言うと
またダークがごちゃごちゃ言いそうなのでやめておいた。
ダークは隣で、はーっと息を吐きながら空を仰いでいる。
そんなこんなでしばらくお互い黙っていたのだが、ダークは何かを思いついたかのように立ち上がると
おもむろに着ていた黒いシャツを脱ぎ捨てた。
リンクは驚いて目を丸くする。
そんなリンクにも構わず、彼はそのまま、ひゅっと水の中へ飛び込んだ。
ぼちゃん、という音もなければ、水滴が跳ね上がることもなかった。
「ダーク!?」
リンクは驚き、釣竿を置いて湖の中を見据えた。
もともと彼は水の神殿にいたのであるから、間違えても溺死することなんてないのだけれど。
中々浮き上がってこないダークを大丈夫かなと思いつつ水面を見つめていると、突然にょきっと手が伸びてくる。
ぎょっとしつつも驚いて声が出せないでいると、リンクは腕を掴まれて水の中へと引っ張られた。
ばちゃん、と大きな音がして水しぶきが舞う。
ゾーラの服を着ていない今は、水の中で長時間息をすることなんて出来なかった。
ぎゅっと目を瞑りながら手を動かして彷徨う。
いくら水の冷たさが心地よくても、苦しくては意味がない。
やっとの思い出水の中から顔を出すと、ぷはっと息を吐いた。
酸素が足りなくて、必死に息をする。
「おい、大丈夫か?」
続いてダークがけろりとした顔で水面から顔を出してきた。
リンクは振り返ると、ダークをキッと睨みつけた。
「いきなり何するんだよ!服が濡れただろ!」
何を言われるのかと思ったら、リンクは服が濡れたことに怒っている。
なんだ。服かよ。
ダークは若干拍子抜けしつつ、リンクの頬に張り付いた髪の毛を手でどける。
柔らかい金糸は、水を含んでしっとりしていた。
「別に服くらい乾かせばいいじゃねえか」
「でも、最初に言ってくれたら俺だって脱いだのに…」
濡れて重くなった服が、身体に纏わりつく。
ダークは、はあ、と息をつくと、リンクが着ていた真っ白なシャツに手をかけた。
そしてそのまま乱暴にシャツを脱がす。
途中、ピアスが引っかかったのか「痛い、痛い」とリンクは言っていたが、ダークはそれを無視して
シャツを脱がすと自分のシャツの横へ放り投げた。
「ほら、これでいいだろ」
手間のかかる奴だな、と付け加えながらダークは言う。
リンクはただ小さく頷いた。
そして手を繋がれると、再び水の中へ誘われる。
さっきよりは余裕を持って。
リンクの目の前に広がる水の中は、陽の光が差し込んで星のようにキラキラと輝いていた。
夢見る魚、水星の夏
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リンクのお世話を焼くダークさんが書きたかっただけ(´▽`)
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