※マルス王子が田舎っぺなので、そんなの嫌!という方は今すぐ引き返した方が貴女のためです(・∀・)
来訪ストレンヂア
その日はとても暖かい日だった。
子供達も外で遊び回っており、日光浴をしている人もいた。
そんな人達を見つつ、リンクはさらさらと流れる小川の前にしゃがみこんで水を掬う。
透き通って水底が見えるその川は陽の光を受けてきらきら輝いていた。
リンクは空を仰いでぽつりと呟く。
「トアル村っていい所だよな……」
本当のことを言えば、自分はトアル出身ではなかった。
しかし物心ついた時にはこの村にいたため、リンクにとってはトアル村が自分の故郷なのだ。
村の人も皆自分のことを慕ってくれるし、困ったことがあればすぐに助けてくれる。
自分は恵まれているなあとリンクは常々思っていた。
そんな風にしてリンクがそよ風の中で一人感慨にふけっていると、突然自分の名前を呼ばれる。
「リングさーん!!」
どうやら自分を呼んだ人物は相当訛りの強い人物らしく、リンクという名前も訛っていた。
誰だと思って振り向いてみれば、頭には麦わら帽子、首には白いタオルをかけて手を振るマルスの姿があった。
「マッマルス!?」
リンクは驚きのあまりに水の入った入れものをぼとりと落とす。
入れもの自体は木で出来ているため割れなかったが、中の水が零れてリンクの足元を濡らした。
しかしそんなことに気をとられている場合ではない。
マルスはにこにこしながらリンクの下へ歩み寄ってくると、リンクの手を握って上下にぶんぶん振った。
「リングさん!久しぶりだ〜!」
「ひ、久しぶりっていうかなんでマルスが此処にっていうかその格好は…!?」
「格好なんてどうでもいいべ。オラな、今日からトアル村に住むことにしただ!」
「あぁそうなんだ…ってえええええ!?」
突然何を言い出すんだと反論する間もなく、マルスはにこりと笑ってさらに爆弾を投下する。
「もうちゃんと家も立ってるだよ。あっちの方さ」
そういってマルスが指を指したのは、自分の家がある場所だった。
リンクは慌てて自分の家へ戻ると、確かにその横にはログハウスが立っていた。
もちろん自分の家よりも立派なものである。
「な、何だこれ…」
「夕べからオラが頑張って作っただよ。いんや〜木を切り倒すのが大変でな〜」
「そ、そうなんだ…」
流石は王子様と言うべきか、大きさ自体はそこまで大きくないものの外観は立派なものだった。
ご丁寧に郵便受けまで作ってあるが、あいにくトアル村に郵便物が届くことはほとんどない。
「リングさんもいつでも遊びに来てくれだ!」
「あ、うん…」
あまりにも突然すぎる出来事にリンクの頭はついていけず、力なく笑うしかなかった。
そして一番気になっていたことを恐る恐る問いかけてみる。
「でもなんで急にトアル村に…?」
一国の王子がこんなのんびりした村にいてもいいのだろうか。
早く国へ帰った方が国のため、むしろ彼のためになるような気がする。
しかしそんなリンクの不安をよそに、マルスはリンクの手をとってぎゅっと握ると、ずいっとリンクに近づいた。
「オラ、リングさんと結婚して一緒にこの村に住むって決めただ!」
「えっ…あの、ちょっ…えぇぇえええええ!?」
リンクの声に、木に止まっていた鳥たちがバサバサと音を立てて飛び立っていった。
唯一飛び立っていかなかった鷹が、リンクの家の看板に止まりながら怪訝そうな顔をして
二人を見つめている。
「けっ結婚って、そんなのダメだよ!そもそも俺達男同士だし…」
「いんや、そんなことねぇべさ!男同士だって問題はないだよ!キスもセックスもちゃんと出来るだ!」
「セッ…!?バカッ!!気持ちの問題だよ!」
マルスの破廉恥な言葉に真っ赤になりつつリンクは叫ぶが、最早マルスの耳には届いていなかった。
リンクの手を握るマルスの手にぎゅっと力が篭もる。
真剣な眼差しでじっと見つめられて、リンクの心が思わず跳ねる。
「大丈夫、オラがちゃんと幸せにするだ」
「全然大丈夫じゃない!ってやだ…キスは…ダメ……っ…!」
ゆっくりと自分に近づいてくるマルスの唇が怖くて、リンクはぎゅっと目を閉じる。
そして優しく自分のものと重ねられ……。
「うわああああああああ!!」
リンクががばっと飛び起きると、まだ周りは暗かった。
左手を額に添えながらハァハァと息をつく。
「………夢か」
そうだよな、マルスがトアル村にやってくるわけがない。
そもそもあんなに強い訛りで話しかけ、挙句の果てには結婚するという発言が間違っている。
「あぁ、びっくりした……」
俺、疲れてるのかななんて思いながらハハっと笑う。
額に当てていた左手を下ろして手をつこうとすると、ぐしゃっと何かを潰した感触。
まさかと思い、リンクの背中に嫌な汗が流れる。
いやでもそんなはずは…と思いつつ恐々手をどけると、そこにはマルスが被っていた麦わら帽子があった。
「う、嘘だぁあああぁぁぁ!」
闇夜にリンクの叫び声が木霊する。
その叫び声を聞きながら、一羽の鷹が空を舞っていた。
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何ぞ(´∀`)
先日絵チャで盛り上がった農家王子×田舎リンクが書きたかったんだ…!
むしゃくしゃしてやった。反省はしてない←
「こんなのおマルス王子じゃないわよバカチン!」思われた方はその思いは心の奥にしまって
そっと鍵をかけて置いて下さい…。
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