スイート*テンプテーション
夕飯が終わり、トゥーンやカービィ、ネスなどのちびっ子達が浴室へとばたばた駆け込んでいく中、
アイクとマルスは部屋で剣の手入れをしつつ話をしていた。
と、そんな時、コンコンと部屋のドアがノックされる。
誰かと思ってマルスが扉を開けたら、そこにはリンクがいた。
今日は乱闘がない日だったので私服なのだが、水色のカッターシャツにジーンズという珍しい出で立ちだった。
なんでも、普段の服は洗濯しているから代わりにこれを着ているというのだ。
因みに白いストライプが入ったその淡いブルーのシャツはサムスのものらしい。
「で、どうしたの?こんな夜遅くにやってくるなんて珍しいね」
「そう?」
「だってリンクってば割と早く寝ちゃうから」
「いいじゃん。俺だってたまには夜更かしするよ」
そういってリンクが笑い、マルスも微笑んだ。
リンクはちらりと中を見てから、少しばかり背の高いマルスに上目遣いで問いかける。
「とりあえず、中に入ってもいい?」
「どうぞ」
「ありがとう」と言ってリンクが部屋の中へ入ると、パタリとドアが閉じられる。
「珍しいな。こんな時間に」
リンクが部屋の中へ入ると、アイクが珍しそうな顔をして言った。
確かにリンクは16歳という青春真っ盛りの年の割に、10時頃にはぱったりと寝てしまうという子供じみた一面もあった。
たまに夜更かしをすると、次の日は眠たそうにしているのをマルスもアイクも知っている。
「なんだよ、アイクまで」
むーと不満そうな顔をするリンクをたしなめるかのように、アイクはリンクの髪の毛をくしゃりと撫でた。
一方でマルスは、先程から気になっていたことをリンクに尋ねる。
「ところで、さっきっからその後ろに持ってるのは何なの?」
言いながらマルスが指を指したのは、リンクが後ろに持っている箱だった。
決して小さい箱ではない。
そう、まるでケーキがワンホール分入るような大きさの箱である。
「あっ、なんだよーびっくりさせようと思ったのに。これ、アイクとマルスの誕生日ケーキなんだ」
にこっと屈託のない笑顔を向けながら、リンクは今まで後ろに持っていた箱を差し出す。
マルスが受け取って蓋を開ければ、そこには真っ赤な苺が飾られたショートケーキがあった。
「ピーチ姫に教えてもらって焼いたんだけど、実はスポンジが少し焦げちゃったんだ…。あ、でも味は平気だから!」
リンクは手を振りながら慌てて弁解するが、マルスとアイクにとってはそんなことはどうでも良かった。
ただ、リンクが自分達の誕生日を覚えていてくれたその事実が嬉しかったのだ。
「遅くなったけど…誕生日おめでとう。アイク、マルス」
優しく微笑まれ、二人はどきりとする。
楽しそうに笑っている時と違い、落ち着いた雰囲気が醸し出されるその微笑にアイクとマルスの鼓動は高鳴っていった。
その感情を何と呼ぶのか知らずに。
* * * * *
「やっぱり少し大きかったよな」
そう言いつつ、リンクはフォークを置いた。
あの後ベッドに座り、テーブルを持って来てその上にケーキを置いて3人で食べ始めたのはいいのだが、
思いの外ケーキが大きくて全部食べきる前にお腹が膨れてしまったのだ。
そもそも夕飯を食べた後だったため、そんなにたくさんは食べられなかったというのが現状である。
甘いものが好きなピーチ姫やカービィならきっとなんてことないのだろう。
「でも美味しかったよ。ね、アイク?」
「ああ。今まで食べたケーキの中で一番うまかったぞ」
「ほんと!?そっか、良かった。頑張って作った甲斐があったよ」
嬉しそうに笑うリンクを見て、アイクとマルスも小さく微笑む。
すると、何かに気付いたアイクがリンクの左手をとる。
今まで気付かなかったが、リンクの掌、親指の付け根辺りに赤い痕がついていたのだ。
「これはどうした?」
「あ、これは…その、スポンジを型から出す時に火傷して…」
ばつが悪そうな顔をしながらリンクが言う。
彼曰く、焼きあがったスポンジを型から外す時に出来たものらしい。
心配させたくなかったからなのか、それとも勇者のくせに鈍くさいなと思われるかもしれないと思ったからなのか
リンクにとってこの火傷は2人にはバレて欲しくないものだった。
しかし、こうしてアイクにバレてしまったのなら、今更隠す必要もないかとリンクは思っていた。
「俺って間抜けだよな。ケーキとか凝ったものなんて作らないからよくわかんなくてさ…」
ハハっと笑いながらリンクが言うがアイクは何も言わずに赤くなったその痕をまじまじと眺める。
親指でそっと触れると、まだ痛みがあるのかリンクは反射的にきゅっと目を瞑った。
「痛むのか?」
「少しだけ…」
アイクは黙ってまた火傷の痕をじっと見つめると、リンクの手首を掴んで自分の顔の近くまで手を持っていく。
そしてそのまま赤く残る痕に舌を這わせた。
リンクはぎょっとして、アイクに止めさせようとその名を呼ぶ。
「ア、アイク!そんな所舐めたら…!」
「別に毒じゃないから死にはしない」
「そう、だけど…ッ」
消毒をしてあるため、その部分を舐めれば必然的に薬を舐めていることになる。
いくら薬とは言え、体に良くないのではないかと思ったがリンクは何故かそのことを口に出せなかった。
最初は痕を舐めていた舌も、中指と人差し指の付け根や掌など動きを変えていった。
「んっ……ぁ、やめ…アイク……ッ…」
ただ手や指を舐められているだけなのに、体が疼く。
けどそんなことは口が裂けても言えなかった。
そんな時、シャツの中にするりと手が潜り込んできて胸の突起をきゅっと掴まれる。
「ぁっ、やぁっ!」
「ひどいな、2人とも。僕がいること忘れてない?」
媚びるような声で言ったのはマルスだった。
アイク、リンク、マルスという並びでベッドに座っていたのだが、リンクがアイクの方を向いてしまえば
当然ながらマルスは一人だけ輪の中に入れないことになる。
それが不満だったのか、マルスはリンクの背中にべったりくっついて後ろから手をシャツの中へ滑らせる。
「マル、ス…っぁ、嫌だ…ッ…やめ……んんっ…!」
マルスはリンクの首の付け根に吸い付き、赤い華を咲かせる。
そしてシャツの中に入れていた手を出すと、後ろから器用に一つずつシャツのボタンを外していく。
リンクは止めようとして空いている右手でマルスの手を掴むが、アイクの舌の生暖かい感触が
リンクの体から力を奪っていった。
「リンク、僕達誕生日だから…ちゃんとお祝いしてくれるよね?」
マルスの柔らかな笑みに、リンクは肯定も否定も出来なかった。
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今更ながらアイクとマルスの誕生日祝い。
遅いって?知ってる!
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