Starless night
その夜はとても風の強い日で、ビュービューとひっきりなしに風の音が聞こえた。
そしてその音があまりにも大きいからリンクは眠れずにいた。
普段なら一度寝てしまえば朝まで目が覚めることはない。
しかし、今晩はどうも違うようだった。
(眠れない……)
時計は午前2時46分。
既に日付が変わってしまっており、内心でリンクはあせる。
今日は乱闘があるからどうしても寝ておきたかったのに、いかんせん瞼はちっとも重くならない。
風の音はやまない。
(……………)
リンクはむくりと起き上がると、ベッドから抜け出す。
隣のベッドですやすやと寝息を立てるトゥーンを起こさないようにと足音を立てずに歩いて
そっと部屋を抜け出した。
* * * * *
ガサガサと音を立てながら一人で草原を歩く。
風はやっぱり強くて、リンクの髪がその強い風になびいた。
ピーチ姫、ゼルダ、サムスといった髪の毛の長い女性陣達であれば、恐らく自慢のロングヘアーは悲惨なことに
なっていただろう。
しかしそれにしても、こんなにも風の強い日はあまりない。
ざわざわと音を立てながら揺れる足元の草を眺めつつリンクはぎゅっと唇を噛んだ。
「こんな時間に散歩か?」
背後からの声に、リンクの体が思わず強張る。
こんな時間に誰だと思ったが、きっとそれはお互い様だろう。
リンクが振り向けば、そこにはファルコが立っていた。
「ファルコ…!ファルコの方こそ、こんな時間に何してるんだよ」
「お前と一緒だ。なんだか眠れなくてな」
言いながら歩いて、ファルコはリンクの隣に並んだ。
そしてその場に座り込む。
「とりあえずリンクも座ったらどうだ」
「あ、うん」
そう促されて、リンクもその場に腰を下ろす。
風のせいなのか、草は少しばかりひんやりしていた気がする。
そのまま2人は黙って風の音を聞いていたが、やがてファルコが口を開いた。
「どうした?」
「え………?」
「何かあったんじゃないのか?」
平常を装っているつもりが図星をつかれ、どきりとする。
「どうして…そう思うんだ…?」
「さぁな。野生の勘ってやつか?」
悪戯っぽく笑いながらファルコは言った。
その野生の勘とやらに感謝するべきなのか、失望するべきなのか。
リンクは小さく頭を振った。
「ファルコにはお見通しなんだな」
「お前はわかりやすいからな。まぁ少なくとも俺にとってはだが…。で、何があった?」
「別に何があったってわけじゃないんだけど…。ただ、なんだか疲れて」
リンクは夜空を仰いだ。
星は出ていない。
「体力の問題か?」
「そうじゃなくて…なんかこう、人間関係とか…」
リンクが人間関係に悩むのも無理はないとファルコは内心で思った。
あれだけ個性豊か溢れる面々が揃えば、物事の考え方や個々人の主張が食い違うなど日常茶飯事だった。
ましてやリンクは意外にもシャイであるから自己主張も強いわけではない。
さぞかし窮屈な思いをしていたには違いなかった。
「嫌いな奴でも出来たか」
「そ、そうじゃないよ!俺、皆のこと大好きだよ」
内気な割には、普通の人なら恥ずかしさが邪魔して口に出せないことも平気で言うのがリンクの特徴だった。
その優しさが彼の内気な性格の裏返しなのだろうか。
「じゃあ何をそんなに悩んでるんだ?」
「皆に…置いていかれそうな気がして…」
胡坐だった体勢を変え、リンクは自分の膝を抱えた。
予想していなかったその言葉にファルコは目を丸くする。
「置いていかれそうってまたどういうことだ?」
「なんだか世界中の人に嫌われてるような衝動に陥るんだ」
ぽつりと呟いて、リンクは目を伏せた。
ファルコはそんなリンクを見据えてから、前に向き直す。
「確かにお前はずっと一人で戦ってきた。けれど、今は違う。信頼出来る仲間がいるだろう?」
「でも…っ!俺には人の本心なんてわからない…マルスやカービィ達だって本当は俺のこと憎んでいるかもしれない」
人付き合いが不慣れであるが故に、知らないうちに誰かを傷つけてしまっているかもしれないとか、
本当は自分のことを嫌っているのではないかとか、考え出したら際限がなかった。
じゃあ、皆と距離をとる?
今までずっと一人だったし、一人でいることに苦痛は感じないはずだった。
しかし、此処の世界へ来て人の暖かさに触れてしまったがために、今までは平気だった孤独も恐怖となった。
逃げ場も何もなく、リンクはただ孤独と恐怖の間を彷徨っていたのだった。
どうすることも出来ないもどかしさからか、リンクは風に揺れる草をぐしゃりと握る。
「大丈夫だから、心配するな」
「え……?」
ファルコはすくっと立ち上がって、前を見据える。
真っ直ぐな視線だった。
「あいつらはそんなに簡単に誰かを嫌うような奴じゃない。少なくとも仲間を嫌うことは皆無だ」
「けど………」
「俺が大丈夫だと言ったから、俺達の関係は大丈夫だ」
まだ座ったままのリンクはファルコを見上げていたその視線を横へと流す。
少し冷たい風が頬を撫でる。
「リンクがあいつらを信頼しているなら尚更な。互いに信頼しあうからこそ、俺達は仲間としてやっていける。違うか?」
そういって、ファルコはリンクの方を向く。
自分は相手を何とも思わず、でも自分のことは嫌わないで欲しいというのは単なる我儘だ。
彼は自分の意思をしっかりと持った上で常に仲間を信頼しているからこそ、皆からの厚い信頼を得ているのだろう。
「皆だってちゃんとわかっているさ」
「そうかな」
「ああ。少なくとも俺はわかっているから安心しろ」
ファルコは腕を組みながら言った。
その強い眼差しを見れば、彼が嘘偽りのないことを言っていることがわかってリンクの心が軽くなった。
「そろそろ帰るか。朝早いしな」
「うん」
リンクも立ち上がって、ファルコの後をついて行く。
あれほどまで強かった風も今ではぴたりとやんでいた。
穏やかな夜。風力はゼロ。
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自分の文章力がなさすぎて何を書きたかったのかよくわからない\^q^/
落ち込むリンクを励ます大人なファルコが書きたかったのだけど、気がつけば
ファルコの台詞疑問系ばっかりになってしまった…。
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