「はぁ〜もう嫌になっちゃうわ」
「どうしたんですか?」
テーブルに頬杖をついて溜め息をつくのはピーチ姫。
そしてたまたま通りかかったリンクが何か只ならぬ気配を感じて彼女に問いかけたのが発端だった。
「あら、リンク!ねぇ聞いて。私ってば2キロも太ってしまったの」
「はぁ…。別に太ったようには見えませんけど」
「そんなことないのよ!やっぱりこの前サムスとゼルダと一緒にケーキバイキングに行ったのがいけなかったのかしら…」
そういってまた溜め息をつく。
そんなピーチを見つつ、リンクは3人がケーキを食べている姿を思い描いた。
女性は甘いものが好きだからな…そう思っていると、今度はアイクが通りかかる。
「どうしたんだ」
「ア、アイク!」
一人で稽古でもしていたのか、ラグネルを片手にアイクは2人を見据える。
ピーチはいい所に!と言って手をぽんと叩くとアイクに今までの経緯を話す。
「…というわけなの。そこで、アナタ達何かいいダイエットとかご存じない?」
「ダイエット?」
「2人ともスラっとしているでしょう?まぁアイクの方はがっしりしてらっしゃるけど…」
そう言われて、リンクとアイクは互いをまじまじと見る。
背はアイクの方が高く、肩幅も広い。
アイクは剣士の中では一番体格が良かった。
それに引き換えリンクはアイクよりも背が低く、筋肉はそれなりについているものの華奢な体つきだった。
マルスも同じような体型なのだが、何分彼の方が背が高い。
リンクは自分の体型に少なからずコンプレックスを抱いていたのだ。
「確かに俺はあまり男っぽい身体じゃないけど…」
ちらりとアイクを見て恨めしそうにリンクが言う。
そんなリンクの気持ちを知ってか知らずか、アイクはラグネルを置くと後ろからリンクの腰に手を回した。
「ひぁっ!!」
突然の出来事にリンクが思わず上ずった声を上げる。
しかしアイクは別に何とも思っていないようで、リンクの腰に手を回したまま呟いた。
「お前は細いな。俺よりもとても小さいし、抱き締めたら潰れそうだ」
「なっ……!」
確かにリンクの腰は細く、その細さから身体全体の細さが伺える。
だがリンクにだって男のプライドがある。
背の低さは認めるとしても、抱き締めたら潰れそうだなんて言われたくなかった。
「肉を食わないからこんなに細いんだ」
「ちゃ、ちゃんと食べてるよ!アイクは食べすぎなんだろ!」
「俺とお前じゃ身体の大きさが違うだろう」
「〜〜〜〜〜ッ!」
悔しいが何も言い返せない。
確かにアイクの方が身体が大きいから、必然的に食べる量も多くなる。
やはり栄養をたくさん摂取した方が身体にとっては良いのだろう。
「それに…」
「ちょっ、わ…っ!」
リンクの身体がふわりと宙に浮く。
アイクがリンクの腋の下に手を入れ、持ち上げていた。
男だし、ハイラルをあちこち冒険していただけに一応筋肉だってそれなりについている。
しかしアイクはリンク以上に力のある剣士だった。
やはり自分より小柄なリンクを持ち上げることは、彼にとって何でもないのだ。
「リンクは軽いな。羽根が生えてるみたいだ」
フっと微笑まれ、リンクの顔がかぁぁっと赤くなる。
天然なのかわざとなのか、アイクは時々歯の浮くような台詞を平然と言ってのける。
彼の性格からしてきっと前者なのだろうが、突然そんなこと言われれば恥ずかしかった。
「アイクの馬鹿…」
「何とでも言うがいいさ」
そういって上まで伸ばしていた腕を曲げる。
すると必然的にリンクの位置も下がり、頬に軽く口付けられた。
恥ずかしいけど、嫌じゃない。
リンクも顔を赤くしつつ、アイクの額にキスを落とす。
もう周りが見えなくて、2人だけの世界のようだった。
が、そんなのも束の間―
「ねーぇ、ラブラブなのはとっても良いんだけど…私がいることも忘れないでね?」
ピーチの甘ったるい声で、一気に現実へ引き戻される。
リンクは今までの行為を全て見られてしまった羞恥から更に顔を赤くし、じたばた暴れるが
アイクはリンクを一向に離そうとせず、潰れそうな身体を抱き締めた。
「ちょっ、もう離せよ!ピーチ姫が見てるだろ…!」
「別にかまわん」
「アイク!」
(けどリンクも何だかんだ言って嫌じゃないのよね…)
2人のやり取りを見ながら微笑む。
そしてピーチが独り言のように、小さな声で呟いた。
「Sweet」
抱きしめてアンジェ
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アイクは天然なのではないかと思う。
それでいて、リンクがどきっとすることをやらかしそうな…!
剣士の中では一番力があるのでひょいっと抱き上げてしまうのです(・ω・)
そしてアンジェは仏語で天使という意味ですがこの小説では特に深い意味はない(笑)
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