「好き」
「………」
「好きだよ」
「………」
「ねぇ、リンク」
「だぁー!さっきから何なんだよ!」
顔を真っ赤にしながらリンクは叫ぶ。
しかしマルスはそんなものに臆することなく一瞬きょとんとした顔をすると、ふふっと笑った。
「やっとこっち向いた」
そういって、リンクの頬をぷにっと人差し指で軽く突く。
シミ一つないその頬は白いというよりもまさに肌色で、健康的な色だった。
女性ほど白くはないが、かといって男性のように傷だらけで浅黒い肌でもない。
その色白さ故に、ごく稀に女性と間違えられるマルスはそんなリンクの肌が羨ましかった。
当のリンクはなんだかハメられてしまったような気がして、不満そうな顔をしている。
「よくそんな簡単に好きって言えるよな…」
「どうして?」
「だって…」
元気そうな見た目とは裏腹に、リンクは意外とシャイだった。
勇者であるから正義感に溢れているのは言うまでもない。
だがほとんど一人で旅をしたきたせいか、それとも彼が生まれ持った性格なのか
とにかく同じ剣士である自分やロイなんかよりも自己主張をあまりしない大人しい性格だった。
アイクもあまり自分からべらべらと話すことはないが、好き嫌いが割とはっきりしていてその辺はリンクと違っていた。
だからこそリンクはその優しさ故に子供や動物達に好かれるのかもしれないが。
「だって好きなんだから。好きなものはしょうがないでしょ?」
「まぁ、それは…」
「それに僕と同じくらい君が好きな男なんて、君のお父さんくらいじゃない?」
そういってマルスは笑うが、対照的にリンクの顔は暗かった。
少し俯くリンクにマルスは問いかける。
「リンク?」
「俺……父さんがいないんだ…」
マルスは驚いて、少し眼を見開いた。
リンク曰く幼い頃に両親を亡くし、それからはトアル村の村長であるボウが親代わりとなって自分を育ててくれた。
自分を生んでくれた母親の顔も覚えてないし、父親の記憶もない。
物心つく頃にはトアル村で牧童をしており、両親がいないのが当たり前のようになっていたのである。
「ボウさんが父親になるのかもしれないけど、やっぱりちょっと違うなって思って。でも良い人なんだよ」
血の繋がりは気にしていない。
けれどやっぱり何かが違って、何処か寂しかった。
村の子供達が楽しそうに家族と過ごしているのを見ると、少し胸が痛んだ。
「けど、俺平気だから。だって一人は慣れてるし…」
マルスを元気付けるために言ってるのかもしれないが、笑顔がぎこちなかった。
やっぱり寂しいんだな、と口には出さずに心の中で呟く。
そして軽々しくお父さんと言ってしまった自分に嫌悪した。
マルスはリンクの肩に腕を回すと、自分の方へ引き寄せる。
近づいた時に、リンクの髪の毛からシトラスのような香りがふわりと漂った。
「マ、マルス?」
「ごめん。君がそんな悲しい思いしてるって思わなかったから」
「そんなの気にしなくたって…」
「でも…こう言うと不謹慎だけど、お父さんがいないのならリンクのことが一番好きなのは僕だね」
マルスはにっこりと微笑む。
リンクは一瞬何を言ってるのかわからなかったが、思考回路が働いてその言葉を理解すると
恥ずかしいやら、嬉しいやら、照れくさいやらちょっと複雑な気持ちになって苦笑した。
「マルスってどうしてそんなに歯の浮くようなことを言えるんだよ」
「そんなの、リンクが好きだからに決まってるじゃない」
この心も体も全て貴方に夢中
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王子は王子なので素敵なことをさらっと言いそう(・ω・)
一番鬼畜なのもこの人だと思うけど←
トワプリのリンクってトアル村で唯一耳が長い人だから、やっぱり人種が別なのかな
とか思ったけど実際はどうなんでしょうか…。
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